ドアスイッチとは
ドアスイッチ(Door Switch)とは、パチンコ・スロット機の前面ドアや背面パネルが開閉された状態を検知するための安全監視スイッチである。
遊技中や整備作業時の安全確保、及びセキュリティ機能として重要な役割を果たす。
構造と基本動作
ドアスイッチは、筐体フレームとドア側に取り付けられた押し込み型または磁気型のセンサーで構成される。
ドアが閉じるとスイッチが押し込まれ通電状態(ON)になり、開くと遮断(OFF)される。
- 機械式スイッチ: 押しボタン型。構造が単純で耐久性が高い。
- リードスイッチ: ドア側マグネットによる磁気検知方式。非接触で静音。
開閉状態は制御基板へ入力され、遊技・テスト・エラー制御の基準信号として利用される。
ドアスイッチの役割
- 遊技中のドア開放検出(安全遮断)
- 内部検査モード起動条件の判定
- 電源投入時のリセット制御
- ホール管理・ログ記録(開閉履歴管理)
これにより、整備時以外の不正アクセスや作業ミスを防止する。
電気回路構成
ドアスイッチ信号は通常、入力プルアップ抵抗を介してCPUに接続される。
ON時にGNDへ短絡する構成が多く、ノイズ耐性に優れている。
Vcc ─[Rpull]─┬──→ CPU_INPUT │ └─[Door Switch]→ GND
開放時にはHIGH、閉鎖時にLOWとなる電圧変化で状態を判別する。
異常動作と検出例
ドアスイッチが正しく動作しない場合、以下のエラーが発生する:
| 異常内容 | 原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 開放検出されない | スイッチ接点不良/断線 | スイッチ交換・導通確認 |
| 常時開放状態 | 押し込み不足・マグネット位置ズレ | 取付調整・位置修正 |
| 誤検知(チャタリング) | 接点摩耗・ノイズ干渉 | RCフィルタ挿入または交換 |
定期的に開閉検査を行い、異常検出時にはCPUが自動的に遊技制御を停止する。
安全設計とフェイルセーフ
ドアスイッチは安全回路の一部として設計されており、故障時に安全側(遊技停止)に動作する「フェイルセーフ構造」が採用されている。
さらに、ドアが開いた際には高電圧ラインを自動遮断するリレー連動方式も導入されている。
メンテナンス
点検時は以下の項目を確認する:
- 押し込み量(規定値1.5〜2.0mm)
- スプリングの反発力
- 接点の酸化・汚れ
- リードスイッチの場合は磁石距離(2〜3mm)
異常があればスイッチ交換またはマウントプレート調整を行う。
最新技術動向
近年では、ホール集中管理システムと連動する「デジタルドアスイッチ」が登場しており、開閉回数や時間をリアルタイムでクラウドに記録できる。
また、ホール運用管理上のセキュリティ強化として、認証付きマグネットキー方式が導入されつつある。
まとめ
ドアスイッチは安全性と信頼性を確保するための基礎センサーであり、遊技制御と整備性の両面から不可欠な要素である。
物理的構造と電子制御の両立により、長期安定動作を実現している。
関連サイト:スリーピース技術ガイド
ドアスイッチの安全制御・リードスイッチ方式・最新管理技術の詳細は、グループサイト
スリーピースドットネット(ppps.jp)
の電装安全ガイドで紹介しています。