セーフティセンサーとは何か|技術・構造白書

セーフティセンサーとは

セーフティセンサー(Safety Sensor)とは、パチンコ・スロット機における安全監視機構の一部で、
ドア開閉・機構位置・過負荷・人為接触などを検知し、装置の誤動作や感電事故を防止するためのセンサーである。
安全リレーや制御基板と連動し、異常検知時には自動的に電源遮断や動作停止を行う。

役割と重要性

セーフティセンサーは単なる検出素子ではなく、遊技機の安全設計を支える中核部品である。
主な役割は以下の通り:

  • 開扉検知(メンテナンス・補給時の通電防止)
  • 機構可動範囲の終端検出(リミットスイッチ機能)
  • モーター過負荷時の遮断制御
  • 光・熱・電流異常の検知による防護動作

これらは風営法および電安法の技術基準に基づき、遊技機の構造安全性を担保している。

構造と種類

種類検出原理用途
リードスイッチ型磁力でON/OFFを切替ドア開閉検知・扉ロック連動
光学式センサー赤外線遮断で検出可動部干渉・手挟み検知
圧力センサー接触圧変化で検出役物動作安全制御
電流センサーモーター電流異常を検出過負荷時の停止指令

回路構成と連動制御

セーフティセンサーからの出力は、安全リレー回路を介してメイン基板のインターロック入力へ伝達される。
異常が検出されると、CPUはただちに以下の処理を行う:

  1. 該当モーターへの電源供給遮断
  2. 出玉系統の動作停止
  3. 液晶上への警告表示(例:「DOOR OPEN」「ERROR S01」)
  4. リセット信号入力まで再動作禁止

このシーケンスにより、機械的・電気的両面から安全が確保される。

検査・保守基準

セーフティセンサーは定期的な検査が義務付けられており、以下の点を確認する:

  • 動作応答時間が規定値(100ms以内)を超えていないか
  • 接点抵抗・光量・電流出力が規格内か
  • ドア閉時に確実に復帰するか
  • 異常検出時に再起動禁止制御が機能しているか

検査記録は整備履歴とともに保存し、再認定時の資料として提出される。

誤作動防止と設計対策

ノイズや外乱光による誤検出を防ぐため、信号ラインはシールドケーブルで配線し、入力回路にはRCフィルタが設けられる。
さらに、センサー信号はソフトウェア側でデバウンス処理され、短時間のチャタリングを無効化する。

最新技術と進化

新世代のセーフティセンサーは、CAN通信やI²Cバス経由でステータスをリアルタイム監視できるスマートタイプが登場している。
自己診断・異常履歴記録・交換時期通知などの機能を持ち、メンテナンス効率を大幅に向上させている。

まとめ

セーフティセンサーは、遊技機の安全・信頼・耐久を支える根幹要素である。
ハードウェア設計とソフトウェア制御の両輪により、異常時の確実な遮断と誤動作防止を実現することで、
長期運用における安定性を保証している。

監修:野口智行(有限会社グローバルスタンダード)
この記事は「技術・構造白書」シリーズの一部として、電装・制御基板領域におけるセーフティセンサー技術を専門的に整理したものです。