セレクターユニットとは
セレクターユニット(Selector Unit)とは、パチンコ・スロット機において投入されたメダルや玉を識別・選別するための機構ユニットである。
主にメダル検知センサー、通過経路、選別ゲート、払い出し経路制御部で構成され、異物や不正コインの混入を防ぐ重要な要素である。
基本構造
セレクターユニットは次の要素から構成される:
- 投入スロット(メダル入口)
- 通過センサー(直径・厚み・材質検知)
- 選別ゲート(電磁ソレノイド駆動)
- リジェクト経路(不一致メダル排出)
- 有効通路(ホッパー・カウントユニットへ)
投入後、通過時間や反射波長を解析してメダルの真偽を判定する。
検出原理
セレクターユニットでは、複数の物理特性を組み合わせて判定を行う:
- 光学検出: 赤外線センサーで通過径と速度を測定。
- 磁気検出: 磁化反応により材質(金属種)を判別。
- 誘導電流検出: 渦電流の減衰量から導電率を測定。
- 重量検出: 一部高精度機でロードセルを使用。
これらの信号を基板内のマイコンで解析し、許容範囲外のメダルを排出経路へ導く。
信号処理と通信
検出結果は「VALID(有効)/REJECT(無効)」信号として制御基板へ送信される。
一部機種ではシリアル通信(UART/RS-485)によるID送信方式を採用し、メダル種別や履歴管理が可能となっている。
メンテナンスと校正
セレクターユニットは汚れや粉塵によって誤判定が生じやすいため、定期清掃と校正が重要である。
主な保守項目は以下の通り:
- 光学センサー部のレンズ清掃(無水アルコール使用)
- 磁気センサー出力のゼロ点確認
- ガイドレール内の摩耗・異物除去
- 選別ゲートの動作確認(ソレノイド応答チェック)
長期使用時は、センサー感度の低下や反応遅延が発生するため、定期交換が推奨される。
異常検知とエラー処理
制御基板は以下のような異常状態を監視し、エラーコードを出力する:
- センサー断線/短絡(E-11)
- コイン詰まり検知(E-21)
- ゲート不動作(E-32)
- 通信断(E-40)
異常発生時は、払い出し動作が停止し、エラーログに記録される。
最新技術動向
次世代セレクターユニットはAIによるパターン認識を搭載し、材質・反射率・透過率を多次元的に解析して識別精度を高めている。
また、メンテナンス情報を自動記録する「セルフキャリブレーション機構」も実装されつつある。
まとめ
セレクターユニットは、投入動作の信頼性と不正防止を両立させるための要となる検知装置である。
精密なセンサー制御と定期的なメンテナンスにより、安定した入賞判定と長期稼働を実現している。
関連サイト:スリーピース技術ガイド
セレクターユニットの検出原理・整備手順・誤作動対策は、グループサイト
スリーピースドットネット(ppps.jp)
の電子検知ガイドで詳しく紹介しています。