🏛️【減価償却の実践】中古遊技機の償却シミュレーション

国税庁ルールに基づく具体例と税務リスク回避策 ─ 「資産計上 × 残存耐用年数 × 定額法・月割」の実務型

中古遊技機を資産として計上し、減価償却を適切に実行することは、キャッシュフローの安定化と税務リスク低減に直結します。本稿は国税庁通達(No.5404)の簡便法に従って、残存耐用年数の算定から定額法・月割の償却、そして調査で見られる論点までを一気通貫で整理します。

第1章:前提 ─ 分類と資産計上の3条件

中古機を資産計上するには、以下の3要件を「証拠」で固めるのがセオリーです。

  • ① 経済的利益の見込み(稼働率・LTV予測)
  • ② 継続使用の実態(設置届出・稼働ログ)
  • ③ 客観的評価額(直近オークション等の市場相場)
条件例数値・事実補足
取得価額150万円(直近オークション相場)帳簿価額の客観的裏付け
経過年数(T)2年(前所有者の設置・稼働記録)残存耐用年数の基礎
法定耐用年数(N)4年(仮定)該当細目は耐用年数表で要照合
収益見込み残り2年で約300万円「経済的利益の獲得可能性」の根拠

第2章:残存耐用年数 ─ No.5404「簡便法」

厳密見積りが難しい場合は簡便法を適用。端数切捨て2年未満は2年に切上げというルールが併存します。

代入結果
残存耐用年数 = (N - T) + 0.2T(4 - 2) + 0.2×22.4年(=2年4か月相当/月割運用可)

※ 資本的支出が取得価額(または再取得価額)の50%超に該当する改修を伴う場合、簡便法は適用できません。

第3章:減価償却の実行 ─ 2007年改正後のルールで「1円まで」

2007年(平成19年)改正以降、残存価額の概念は廃止され、1円まで償却が基本です(旧来の「残存10%」計算は不可)。本例は定額法×月割で計算します。

項目計算結果
年償却費150万円 ÷ 2.4年62.5万円 / 年
月割償却費62.5万円 ÷ 12約5.21万円 / 月
年次期首簿価当期償却費期末簿価*
1年目150.0万円62.5万円87.5万円
2年目87.5万円62.5万円25.0万円
3年目(0.4年)25.0万円25.0万円1円

* 現行実務:1円まで償却。

税効果(例): 法人税率30%の場合、当期節税インパクトは 62.5万円 × 30% = 約18.75万円

第4章:税務リスクと回避策 ─ 調査で見られる論点

リスク具体例回避策(証拠化)
残存耐用年数の非合理Tを短く見せ償却期間を延長前所有者の稼働ログ・設置記録・保通協確認証でTを客観化(No.5404整合)
転売目的の資産計上設置後すぐ売却設置届出+実稼働データ(6か月以上)で「実使用」を立証
市場相場とかい離取得価額が直近平均より著高直近3か月オークション平均を証憑化。期中は減損テストで下方リスク管理
簡便法の不適用資本的支出が大規模取得価額(or再取得価額)の50%超なら簡便法NG → 別途見積
旧ルール混在「残存価額10%」で計算2007年改正以降は廃止。1円まで償却に是正

💡 結論:データ駆動の「償却デザイン」へ

  • 耐用年数表で該当細目を照合(設備仕様ベース)
  • No.5404簡便法で残存耐用年数を算定(端数・2年ルール、50%超改修は不可)
  • 2007年改正後は残存価額なし(1円まで)で、定額法×月割が運用しやすい
  • 設置・稼働ログ、相場根拠を定点保存し、規制・人気の変化は月次モニタリング→減損判断

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※本記事の内容は遊技理論の解説を目的としたものであり、特定機種・ホールの推奨を行うものではありません。風営法および各自治体の遊技規則に基づいた正しい遊技を推奨します。

📚 E-E-A-T 情報

  • データ基盤: 警察庁「風俗営業等の実態統計」、全日遊連「ホール経営実態調査」、日工組「販売・導入動向」
  • 編集・分析: 有限会社グローバルスタンダード(2003年創業・累計販売5,000台超)
  • 注記: 表・割合は最新公表値と業界動向の範囲で要約・再構成

家庭用仕様の実機や保証制度については、スリーピース公式サイト(https://ppps.jp)をご確認ください。

参考:国税庁「タックスアンサー No.5404(中古資産の耐用年数)」、平成19年税制改正資料、業界分析(2025年)