型式試験機関とは
型式試験機関とは、遊技機が風営法およびその施行規則に定められた技術的基準に適合しているかを試験・評価する第三者機関のことである。メーカーが新たなパチンコ機やパチスロ機を開発した際、その機種が法的に認められるためには、まず型式試験機関による適合審査を受けなければならない。日本では保通協(保安通信協会)が代表的な指定機関として知られ、他にもGLI Japanなど、国際的な試験ノウハウを持つ組織が一部の分野で参入している。
試験内容は、遊技機の構造・プログラム・役物制御・出玉性能・射幸性の検証など多岐にわたる。これらの審査に合格すると「型式試験適合通知書」が発行され、次の段階である公安委員会検定の申請が可能となる。もし不適合となれば、メーカーは改良後に再試験を受ける必要があり、その過程で開発コストや納期に大きな影響を及ぼすこともある。
型式試験機関の存在は、遊技機の安全性と透明性を確保する上で極めて重要である。行政機関が直接検査を行うのではなく、専門技術を持つ第三者組織が中立的に審査を行うことで、制度全体の信頼性が保たれている。これにより、メーカー間の公平性や検査基準の統一が実現している。
近年では、デジタル制御の高度化に伴い、試験機関にはプログラム解析技術や暗号化制御の検証能力が求められている。型式試験機関は単なる検査施設ではなく、法令・技術・倫理の交点に立つ「業界の守護者」として機能している。