液晶バックライトとは
液晶バックライト(LCD Backlight)は、パチンコ・パチスロ機の液晶パネル背面に配置される照明ユニットであり、
映像表示の明るさ・色再現性・演出効果を支える重要な発光システムである。
バックライトの性能は、演出の臨場感と視認性を決定づける要素のひとつとなっている。
構造と発光原理
液晶バックライトは、主に以下の層構造で構成される:
- 光源層(LEDアレイ)
- 導光板(ライトガイドプレート)
- 拡散シート/プリズムシート
- 反射板
- 液晶パネル
LEDから発した光を導光板に導入し、拡散シートで均一化して液晶全体に照射する。
輝度ムラを低減するため、エッジライト型・直下型の2方式が存在する。
LED光源の種類
使用されるLEDには次の2タイプがある:
- 白色LED: もっとも一般的。色温度6500K前後で高輝度。
- RGB LED: 演出用に採用。色調を自由に変化可能。
高輝度化のため、1画面あたり50〜200個のLEDを直列・並列に接続して使用する。
各LEDには定電流ドライバICが搭載され、輝度をPWM制御で調整する。
バックライト制御回路
液晶バックライトの輝度・色変化は、サブ制御基板上のバックライト制御ICにより管理される。
主な信号構成:
PWM (Brightness Control)RGB (Color Mix)BL_ON (電源許可信号)SYNC (演出同期信号)
PWM制御周波数は1〜20kHzで設定され、人間の目にちらつきを感じさせないよう調整されている。
演出との同期制御
液晶映像や役物演出と同期してバックライトが点滅・変色するケースが多い。
代表的な同期例:
- 大当たり発生時:白→赤→金へのグラデーション発光
- リーチ演出中:リズム点滅+波打ち照明
- ラウンド中:BGM同期フェード
これらは液晶制御チップから送られるSYNC信号をトリガーに、
PWMデューティ比をリアルタイムで変更することで表現される。
発熱と放熱設計
高輝度LEDの集積により、バックライトユニットは相当量の熱を発する。
熱対策として次の設計が行われている:
- アルミベース基板(放熱プレート一体構造)
- 背面にヒートシンクおよびファン設置
- 温度検知サーミスタによる電流制御
基板温度が70℃を超えると、自動的に輝度を制限するサーマルリミット機能が作動する。
寿命とメンテナンス
バックライトLEDの定格寿命は約30,000〜50,000時間。
輝度低下は徐々に進行し、最終的に色温度が変化する。
点検時には以下を確認する:
- 輝度ムラ(導光板の汚れ・黄変)
- LED素子の断線・色変化
- PWM制御ラインのノイズ混入
- ヒートシンクの埃堆積
劣化が進んだ場合は、ユニット単位での交換が推奨される。
リユース・再整備時の注意
中古再整備時には、バックライトユニットの黄変・輝度ムラ・熱ダメージが多く見られる。
特に導光板の変色は輝度均一性に大きく影響するため、
再研磨または導光板交換が必要となる。
また、PWM駆動ICの電解コンデンサの容量抜けにも注意する。
次世代技術
最新機種では、ミニLEDやエッジ制御型の分割バックライトが導入され、
部分的に輝度を動的制御する「ローカルディミング方式」が採用されている。
これにより、液晶映像のコントラスト向上と省電力化が実現されている。
まとめ
液晶バックライトは、遊技機の映像演出を支える基幹技術のひとつである。
その設計には、光学・電気・熱のすべての分野が関わっており、
安定した輝度と演出同期の両立が求められる。
関連サイト:スリーピース技術ガイド
液晶バックライトの構造・PWM制御・熱設計の詳細は、グループサイト
スリーピースドットネット(ppps.jp)
の液晶制御技術ガイドで詳しく紹介しています。