LED制御とは何か|技術・構造白書

LED制御とは

LED制御(LED Control System)は、パチンコおよびパチスロ機の演出照明や状態表示に使用される発光制御技術である。メイン基板や演出制御基板から送信されるデジタル信号をもとに、LEDドライバICが点灯・消灯・調光・色変化を行う。単なる照明ではなく、抽選状態・演出進行・大当たり告知などと密接に連動する重要な制御系統である。

構造と構成要素

LED制御系は、以下の主要部品で構成される:

  • LED素子(単色またはRGBフルカラー)
  • LEDドライバIC(電流制御回路)
  • 制御基板(マイクロコントローラまたはI/Oドライバ)
  • 電源ライン(5Vまたは12V系)
  • データバス(SPI/I²C/シリアル通信)

これらは演出基板にまとめて実装され、演出制御ROMに記録された発光パターンに従って駆動される。

発光制御の仕組み

LED制御は主にPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)方式によって行われる。PWM信号のデューティ比を変化させることで輝度を制御し、1秒間に数百〜数千回の高速点滅を行う。RGBタイプでは、赤・緑・青それぞれのデューティ比を独立制御することで、約1,600万色の発光表現が可能である。

演出制御基板では、LEDドライバICが各チャンネルを個別制御し、フェードイン・フラッシュ・同期発光などの複雑なエフェクトを実現する。

同期制御と演出リンク

LED制御は、液晶映像・サウンド・役物動作と同期して動作する。メイン制御基板が送る「状態コード」(例:大当たり/リーチ/確変)を演出基板が受け取り、それに対応する発光パターンを選択・実行する。

同期精度は1フレーム(約16.6ms)以下で設計されており、液晶や音響とズレないようにリアルタイム通信が行われる。高級機種ではDMA(Direct Memory Access)転送を利用して、LED制御の遅延を最小化している。

電源設計と安全性

LEDは電流制御デバイスであるため、安定した電源供給が不可欠である。制御基板上には定電流ドライバや過電流保護回路が搭載され、突入電流を抑制する設計となっている。特にRGB LEDでは電流バランスが重要で、赤・緑・青の各チャンネルで±5%以内の誤差に調整されている。

また、電源ラインには逆接防止ダイオードやサージ吸収素子が実装され、ノイズや静電気による破損を防いでいる。

放熱と耐久設計

高輝度LEDは熱を発生するため、放熱設計が重要である。アルミ基板やサーマルパッドによる熱拡散、筐体背面の通気構造などによって温度上昇を防ぐ。通常、LEDチップの定格温度は80℃以下に保たれるよう設計されている。

LED寿命は約50,000〜70,000時間であり、輝度劣化を防ぐために駆動電流を抑えた長寿命モードが採用されている。

メンテナンス・交換

LED制御系の不良は、点灯しない・色ずれ・ちらつき・過熱などで現れる。点検時はまず電源電圧・信号波形・ドライバICの動作を確認する。LED単体の交換は難易度が高いため、通常は基板単位で交換する。

リユース機整備では、経年劣化による発光ムラが発生するため、部分交換ではなく同一ロットLEDへの総入替えが望ましい。

技術進化と次世代制御

現在のパチンコ機では、LED制御が「演出表現の主軸」となっており、3D発光・エリア演出・音響連動制御などが一般化している。次世代ではAI解析による動的発光制御(プレイヤー行動に応じた発光反応)も研究段階に入っている。

まとめ

LED制御は、パチンコ・パチスロの演出品質を決定づける技術の一つである。電装・ソフトウェア・光学設計が一体化することで、視覚演出の進化が支えられている。精密な制御と長期安定稼働の両立が求められる領域である。

監修:野口智行(有限会社グローバルスタンダード)
この記事は「技術・構造白書」シリーズの一部として、液晶・演出制御領域における照明技術と信号制御を専門的に整理したものです。