払い出し枚数制御とは
払い出し枚数制御(Payout Quantity Control)とは、スロット機やメダル遊技機において、ホッパーから払い出されるメダルの枚数を正確に管理・制御するシステムを指す。
プレイヤーへの出玉量を一定に保ち、不正や誤動作を防ぐための基本的な制御技術である。
制御の基本原理
払い出し動作は、CPUがホッパーモーターを駆動し、ホッパーセンサーからのパルス信号を枚数カウントとして監視する方式で構成される。
設定枚数に達するとモーターが停止し、払い出しが完了する。
START → モーターON → センサー検出(1Pulse=1Coin) → 枚数カウント → 目標枚数到達 → モーターOFF
このループにより、常にリアルタイムで払い出し精度を維持する。
主要構成要素
- ホッパーセンサー(枚数検知)
- 制御基板(カウントおよびモーター駆動)
- ドライバIC(モーター電流制御)
- フィードバック回路(パルス監視・異常検知)
制御基板はこれらの信号を統合して、払い出しの正確な同期動作を実現している。
制御ロジックとカウント方式
払い出し制御には以下の方式が用いられる:
| 方式 | 特徴 | 精度 |
|---|---|---|
| オープンループ制御 | 単純なパルスカウント方式 | ±2% |
| クローズドループ制御 | フィードバック補正あり、停止遅延を補正 | ±0.5% |
| インテリジェント制御 | AI学習で摩耗や遅延を自動補正 | ±0.1% |
現在主流はクローズドループ制御であり、停止遅延を考慮して1〜2枚先行して停止信号を送出する。
異常検知と安全機構
制御基板は常時ホッパーセンサー信号を監視し、次の異常を検出する:
- パルス未検出(センサー故障・配線断線)
- 過剰カウント(滑り・誤検出)
- モーター過負荷(詰まり・異物混入)
異常時は即座にモーターを遮断し、エラーコード(例:E-61/E-62)を出力して制御停止する。
設定と校正
払い出し枚数の設定は、テストモード内で数値入力またはDIPスイッチで指定される。
また、校正モードでは実際に10枚払い出しを行い、センサー出力との誤差を自動補正する機能が搭載されている。
メンテナンスと点検
払い出し制御の信頼性を保つため、次の点検を定期的に行う:
- ホッパーセンサー清掃(汚れ・粉塵除去)
- モーター回転テスト(トルク確認)
- 基板コネクタ接続状態の確認
- 校正結果と実測払い出し枚数の誤差チェック
誤差が許容範囲(±1枚)を超える場合、制御基板またはセンサーの再校正が必要。
最新技術動向
新世代の払い出し制御では、マイコンがリアルタイムでパルス波形を解析し、温度・摩耗・電圧変動による誤差を自動補正する「自律型カウント制御」が導入されている。
また、通信型ホッパーを用いたクラウド連携により、稼働履歴・異常履歴をリモート監視できるシステムも普及している。
まとめ
払い出し枚数制御は、遊技機の信頼性を根幹で支える制御技術である。
正確なカウントと異常検知を両立することが、ユーザー満足度と業務効率の両面で極めて重要となっている。
関連サイト:スリーピース技術ガイド
払い出し制御やセンサー補正、最新AIカウント技術の詳細は、グループサイト
スリーピースドットネット(ppps.jp)
の制御基板ガイドで紹介しています。