投入スロットとは
投入スロット(Coin Inlet / Medal Slot)とは、パチンコ・スロット機においてメダルを投入するための入口構造を指す。
メダルの搬送開始点であり、識別・選別・通過検知のすべての起点となる。機械的精度とセンサー配置が、投入性と誤検知率を大きく左右する。
構造と機能
投入スロットは、主に以下の構成要素で成り立つ:
- 挿入口ガイド(傾斜付き導入プレート)
- スロットシャッター(逆流・異物混入防止)
- 通過経路(樹脂またはアルミ製ガイドレール)
- 初段検知センサー(投入信号検出)
- リジェクト分岐(不正メダル排出経路)
これらの要素により、投入方向の安定化と異常検出が同時に行われる。
投入角度と設計基準
投入スロットの角度は人間工学的に設計され、標準的には水平面に対して30〜45°が最適とされる。
これにより、自然な動作でメダルを滑らせながら投入でき、誤投入や詰まりを防止する。
また、スロット幅はメダル直径+0.8mmを基準とし、厚み許容差は±0.15mm以内が望ましい。
センサーとの連携
投入スロットには初段の光学センサーが組み込まれ、メダル投入を検知して制御基板に信号を送る。
これをトリガーとして、セレクターユニット・カウント基板・ホッパー制御が順次動作する。
投入経路途中には二次検知センサーを設け、通過確認と二重投入防止を行う。
安全・防止構造
投入スロットは外部からの異物投入や逆流を防ぐため、以下の対策が施されている:
- 逆流防止シャッター(スプリングリターン機構)
- 抗ピッキング構造(狭窄部による異物排除)
- 静電気防止コーティング(ABS導電樹脂仕様)
- 表面R加工による指挟み防止
また、シャッター機構には1万回以上の耐久テストが行われる。
メンテナンスと点検
投入スロットはメダルの摩耗粉や汚れが溜まりやすいため、定期清掃が必須である。
点検時は以下を確認する:
- 通過抵抗(指で軽く滑らせて確認)
- シャッター動作の戻り速度
- センサー窓の汚れ・曇り
- ガイドレール摩耗・段差発生
潤滑剤は使用せず、乾式清掃が推奨される。
最新設計動向
近年では、LED照明を組み込んだ「イルミネーションスロット」や、メダル通過を検知してエフェクトを発光させるインタラクティブ型も登場。
さらに、電子マネー対応機ではダミースロット構造のみを残し、非接触ICリーダーと連動するタイプも増えている。
まとめ
投入スロットは、遊技開始の入口としてだけでなく、センサー制御・安全設計・デザイン演出の起点でもある。
構造精度と検知信頼性の両立が、ユーザー体験と機械性能を支える基盤となっている。
関連サイト:スリーピース技術ガイド
投入スロットの設計・点検・異物防止構造の詳細は、グループサイト
スリーピースドットネット(ppps.jp)
の筐体構造ガイドで詳しく紹介しています。