リールモーターとは
リールモーター(Reel Motor)は、パチスロ機の回転リールを駆動するための電動アクチュエータである。
リールの正確な停止位置を制御し、演出や抽選結果に応じた視覚的フィードバックを実現する。
パチンコ機でも一部の液晶連動型や役物演出で、リールモーターと同等のステッピング駆動構造が採用される。
基本構造
リールモーターは主にステッピングモーター(Stepper Motor)を採用しており、
一定角度ごとに回転することで高精度な位置制御を可能にしている。
内部構造は次の要素で構成される:
- 固定子(ステーター)コイル
- 永久磁石ローター
- ベアリング/軸受構造
- ホールセンサーまたはフォトセンサー
モーターの1ステップあたりの角度は1.8°(200ステップ/回転)が一般的で、
細分化駆動(マイクロステップ制御)を用いることで停止精度をさらに高めている。
制御回路
リールモーターは「リール制御基板」上のドライバICによって制御される。
制御方式の主流はバイポーラ駆動(定電流制御)であり、以下の信号によって動作する:
STEP … パルス入力(1パルス=1ステップ)DIR… 回転方向指定(CW/CCW)ENABLE … 駆動許可信号
これらはメイン制御基板から送信され、モーター1台ごとに独立制御される。
パチスロ機では通常3台(中・左・右リール)を同時制御する。
停止制御とセンサー検出
リールの停止位置は、リールシャフトに設置されたフォトセンサーやマグネット式ホールセンサーによって検出される。
このセンサーは「リールマーク(透過穴または磁性パターン)」を読み取り、
回転パルスと比較して正確な停止位置を演算する。
リール停止制御のフローは以下の通り:
[スタート信号] → [回転加速] → [減速制御] → [基準パルス検出] → [停止位置補正]
これにより、リーチ目や図柄位置が常に規定範囲内に収まるよう設計されている。
モーター仕様と性能
リールモーターの代表的な仕様は次の通り:
- 定格電圧:12Vまたは24V
- 定格電流:0.4〜0.8A
- トルク:0.2〜0.5N·m
- 回転速度:最大500rpm
- 寿命:10,000時間以上
制御時はトルクリップル(振動)を抑えるために、サイン波マイクロステップ駆動が採用される。
発熱・騒音対策
リールモーターは常時通電による発熱が避けられないため、
筐体背面に金属プレートを介して放熱する構造が一般的である。
騒音対策として、リール軸のベアリングにシリコングリスを使用し、
停止時のショック吸収ゴム(ダンパー)を配置する。
演出との連携
パチスロでは、リールモーターの挙動自体が演出の一部として利用される。
例として:
- 変則回転(加減速・逆回転)
- 停止時フラッシュ連動
- 特定図柄でのスロー演出
これらはメイン制御基板がリール制御基板に動作パターンを送信し、
フレーム単位で同期制御される。
リユース・再整備時の注意
中古整備時には、以下の点を必ず確認する:
- リール軸の回転抵抗(硬すぎ・軽すぎ)
- ベアリングの摩耗・ガタ
- センサー位置のズレ
- 駆動ICの発熱異常
軸の潤滑油が乾いている場合は、極少量の高粘度グリスを使用する。
過剰な注油はスリップや回転ムラを引き起こす。
次世代技術
新型のリールモーターでは、ブラシレスDCモーターやリニアモーターを用いた静音構造が開発されている。
また、磁気式エンコーダを内蔵し、角度精度±0.1°のフィードバック制御が可能な「サーボリールモーター」も登場している。
まとめ
リールモーターは、遊技機の「動き」と「演出精度」を司る重要な駆動機構である。
精密なセンサー連携と電流制御により、演出表現と制御安全性を両立している。
関連サイト:スリーピース技術ガイド
リールモーターの構造・制御・保守整備の詳細は、グループサイト
スリーピースドットネット(ppps.jp)
の駆動制御技術ガイドで詳しく紹介しています。